頭蓋骨・顔面骨の変形-慶應義塾大学病院形成外科

頭蓋骨・顔面骨の変形
  • 乳房再建
  • 悪性腫瘍切除後再建
  • 顔面神経麻痺
  • 傷あと
  • ケロイド・肥厚性瘢痕
  • 顔面骨骨折
  • 褥瘡・難治性潰瘍
  • 頭蓋骨・顔面骨の変形
  • 口唇裂・口蓋裂
  • あざ・血管腫
  • 眼、鼻、耳など顔の変形
  • 眼のまわりの形成外科
  • リンパ浮腫

頭蓋の変形

頭蓋、顔、あごの骨の高度な変形に対して頭と顔の骨を頭蓋の内外から同時に切って移動して、形態や機能を形や位置を手術的に修正して顔貌を修正する手術概念を頭蓋顎顔面外科(クラニオフェイシャルサージャリー)といいます。
当院では、1980年に日本で初めて頭蓋顎顔面外科を開設し、長い治療経験とともに豊富な実績も兼ね備えております。

下記に取り扱う疾患の一部を紹介いたします。
より詳しい疾患の説明や治療方法に関しては「頭蓋顎顔面外科外来」のホームページをご覧いただくか、外来でご相談ください。

頭蓋拡大矯正術、顔面骨延長術

Nakajima H, Sakamoto Y, Tamada I,et al. Dynamic total skull remodeling by a combination of morcellation craniotomy with distraction osteogenesis; the MoD procedure. J Craniofac Surg.2010

線維性骨異型性症(Fibrous dysplasia)

本来、骨は固いものですが、骨の形成異常により線維性組織と呼ばれる骨よりも非常に柔らかい組織が骨にできてしまう疾患です。成長の遅いものは定期的な経過観察でよいと思われますが、成長が早いと外見を変形させるだけでなく、脳を圧迫していくため、手術により病変部を取り除く必要があります。いわゆる”腫瘍”のため、取り残しをすると再発する可能性があり、正常部分を含めて完全に切除した後で、骨がなくなってしまった頭蓋骨部分の再建が望まれます。再建には、自分の骨(自家骨)や、チタンやハイドロキシアパタイトといった骨(人工骨)を用います。

フォン・レックリングハウゼン症候群

皮膚のシミ(カフェオレ斑)と神経線維腫という皮膚の腫瘍を主症状とする疾患です。ときどき頭蓋骨にも病変が及ぶことがあり、外見の変形をきたすために、線維性骨異形成症と同様に病変部の切除と、欠損部分の再建が望まれます。再建には、自分の骨(自家骨)や、チタンやハイドロキシアパタイトといった骨(人工骨)を用います。

頭蓋の欠損

脳腫瘍などのがんを切除する手術の際には再発を予防する目的で頭蓋骨の一部を同時に切除することがあります。また交通事故に代表される不慮の事故で頭蓋骨や顔の骨が大きく変形してしまうこともあります。こうした変形は脳に対する保護が失われるだけでなく、見た目を大きく変えるため、社会復帰を困難にさせる一つの要因となります。そこで変形した頭蓋、顔貌の再建を行います。
こうした骨の欠損に関して、自分の骨(自家骨)やチタンやハイドロキシアパタイトといった人工骨をつかって治します。最近では患者さまのCTデータからその人にあったオーダーメイドの人工骨を作成することで、非常に大きく複雑な骨欠損でも良好な結果を得られます。

後頭部の頭蓋欠損に対してチタン製人工骨をあらかじめ作成し、再建した症例

顔面骨の変形

顔面非対称や顎変形に対する顎骨治療

概要

顎顔面骨の形態異常に伴う変形(顔面非対称)や噛み合わせ異常(咬合不全)は、顎顔面骨の形態を改善すると同時に正しい咬合(かみ合わせ)を獲得できるよう、矯正歯科医との協力体制が必要です。当科では、歯列・矯正外来(第一第三木曜午後)にて歯列・咬合の診察と治療が必要な患者さんの診療を行っています。実際の歯科矯正治療は、当院歯科口腔外科および東京歯科大学矯正歯科のほか、患者さんの通院しやすい認定施設をご紹介し、相互に連絡を取り合いながら手術治療を行っております。

唇顎口蓋裂に伴う顎変形

唇顎口蓋裂患者さんでは乳児期の手術のあと成長に伴って、歯並びや咬合の治療を矯正歯科とともに治療していきます。顎裂部(歯槽部分の骨・歯牙欠損)には、外科的治療によって骨欠損を修復したのち、歯を誘導する矯正治療が行われます。また、唇顎口蓋裂に伴う上顎の低形成とこれによる反対咬合などは外科的治療と歯科矯正治療により咬合および整容面の双方の改善を図ります。

顎裂部骨欠損に対する骨移植
口蓋裂による歯列不正の矯正治療
口蓋裂に伴う上顎低形成に対する外科的矯正治療(治療前後)に対する骨移植

小顎症

ピエールロバン症候群、トリーチャーコリンズ症候群など下顎の低形成を示す疾患では、顎の発育不全による呼吸障害、摂取障害を認めることがあります。このような症状がある場合には下顎骨の延長治療を比較的早期に計画し、口腔容積の拡大を図ります。また、症状に応じて整容的改善を目的とした治療が行われます。

小顎症に対する骨延長治療

第一第二鰓弓症候群(Hemifacial microsomia)

生まれつきの顔面非対称を示し、片側の下顎の低形成や耳の低形成などが見られます。「頭蓋顎顔面外来」では主に骨格の非対称の治療を、歯科矯正医とともに咬合を考慮した上で計画してゆきます。

HFMに対する顎骨治療(術前後)

眼球陥凹・眼球突出に対する治療

眼球陥凹とは眼が引っ込んでしまった状態のことで、例えばボクサーが眼を殴られたときに眼の周りの骨が折れることでおきます。
一方で眼球突出とは眼が飛び出た状態で、生まれつきや、甲状腺の病気の際になります。
原因は眼の周りの骨にあるために、その骨に手を加えることで眼の状態を治します。
他院で改善が困難と言われた場合なども、相談にいらしてください。

外傷に伴う眼球陥凹
甲状腺機能亢進症に伴う眼球突出
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