慶應義塾大学病院 形成外科学教室 慶應義塾大学病院 形成外科学教室

専攻医からのメッセージ

2013年入局
中村 友季恵

私は2019年現在入局6年目で現在、市中病院に出向し働いています。皆さん、形成外科ってどんなイメージがありますか。医療ドラマにもならなければ医学部の教科書にも載らない、なんて謎な分野でしょう。

私も“乳房再建”や“美容”、“細かい手術”とかなり漠然としたイメージで入局しました。6年働いた今は“人間の形態、機能をもとに(正常に)戻す”のが形成外科だと思います。

“傷跡をゼロにしよう”だとか、“なくなった(うまれつきない)耳を作ろう”だとか、“乳癌で切除された胸を再建しよう”などなど、数えきれないほど多数の分野で形成外科医は日々奮闘しています。

確かに形成外科の治療は悪性腫瘍を根治したり、救命に直結しない分野が多いです。私も医学生の頃は医療といえば生死にかかわることがかっこよくみえ、形成外科の乳房再建手術は二の次だと思いました。でも今は違います。一言で乳房再建といっても患者さん一人ひとり何を重視するかが違います。その希望に少しでも添えるように相談し治療を行う。希望した治療だからこそ、結果がいい時の患者さんの喜びは大きく、その笑顔をみると医者としてやりがいを感じます。こんなに患者さん一人一人の価値観・人生観に全力で寄り添える科はほかにないと思います。

さて話は変わり、皆さんは仕事以外に大切なことはありますか。私は現在育児をしながら専門医資格もとり働き続けています。最近は男性の育休なども話題にあがりますが、育児だけが特別ではなく、家族や自分の病気、介護、趣味などなど。今後長く働く中で、仕事を続けながらも“譲れないもの”が誰しもでてくるはずです。私達の医局には育児中の人はもちろん、スポーツや、趣味などをやりながらも形成外科医として活躍している人が多くいます。なぜそれが可能なのか、2つ理由があると思います。1つは様々な患者さんの希望に常により沿ってきた形成外科だから。そしてもう1つは協力し合う“伝統”があるから。私自身、今上司や同僚に協力してもらっているからこそ、自分が上の立場になったとき後輩に同じようにしてあげられると思います。そういう流れが医局内にはあります。

今、「慶應の形成外科ってどうなの?」とHPを読んでくださった皆さん。ぜひ実際にきて、皆さんの人生観を私たちにぶつけてください。本気でやれば、必ず応えてくれる仲間がここにはいます。

2017年入局
河野 暉

形成外科を選択することとなる最初のきっかけは学生時代の病院実習でニンジンと彫刻刀を用いて耳を作成するというものでした。それまで医学について漠然としたイメージしかなかったのですが、そんなもやもやした状態に霧が晴れたのを覚えています。

そのため初期臨床研修が始まる前から形成外科に入局しようかと考えていました。

しかし、初期臨床研修が始まると各科奥が深く、色々な科に面白みを感じ、非常に悩みました。また形成外科医はとても手先が器用といったイメージもあり、自分に務まるのかという不安もありました。しかし、学生の頃に感じた感動を信じて、形成外科の門をたたいたわけです。特に頭頚部再建に興味があったのですが、興味を限定せず色々な分野をまんべんなく行っている慶應の形成外科で学ぶことに決めました。

2019年現在入局2年目ではじめの半年は大学病院勤務、その後は関連の市中病院勤務をしています。大学は本当に多岐にわたり手術をしているので、驚きの連続でした。その後現在市中病院では自分で手術をする機会に多く恵まれ、毎日充実した生活を送っています。研修医の頃に感じていた手先の器用さに対する不安も、一つ一つの手技にしっかり意味付けをし、考えながら行えば払拭されるのではと思います。形成外科を希望されている研修医のみなさん、やりたいなという気持ちがあるならその気持ちに大切にしてほしいと思います。そして当医局はそんな皆様の気持ちにこたえられる土俵をもっていると思います。

2018年入局
髙谷 健人

私は2019年現在入局2年目、大学院での博士課程1年目であり、「抗老化、若返り」をテーマに日々基礎研究に携わっています。そもそも形成外科を志したきっかけは、その多岐にわたる分野の中で、自分がNo.1になれるものを見つけだせるのではないか、という漠然とした思いでした。入局後初年度は半年間関連病院での出向、もう半年を大学病院で専修医として過ごましたが、新しい事実を解明、発見し世に知らしめる研究こそが自分の目指すべきところだと確信しました。

形成外科としての知識や経験を活かすことができるのは、見た目の改善へのアプローチと考え、昨今のトピックでもあるアンチエイジングに関連し、その究極である若返りをテーマとして研究を開始しました。

さて、当医局の研究室の最も特徴的な点は、若手のアイディアを積極的に取り入れ、「とりあえず、やってみる」の精神を応援していただける環境だと感じています。毎週教授や講師の先生方も参加するリサーチミーティングを通して、互いの研究に関して議論し、ブラッシュアップする場が設けられており、直接ご指導いただく機会も多くあります。

もちろん、後期研修中の身でもあるため、臨床から完全に離れたわけではなく、形成外科医としても外来・手術に携わる機会も頂いており、毎日充実した日々を送っています。 臨床医としてバリバリ手術をしたい、基礎研究と臨床を両立したい、育児や趣味も大事にしたい、医師としての夢や希望は人それぞれあると思いますが、多様性と自立性を重んじ、互いに個人を尊重してくれる場がここにはあります。志の高い皆様の入局をお待ちしております。

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© 2019 Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Keio University School of Medicine